2011年12月に観た映画:年末にやってきた年間ベスト作品『サウダーヂ』
今月は20本で、そのうち3本はダブり。
先日、去年のあれこれランキングにも挙げた通りベストは今月観た『サウダーヂ』です。『監督失格』とどちらにするか悩んだけど、こちらは映画というよりももっと大きな枠での評価としたいという思いから。
そして『サウダーヂ』ですけど、どれだけ言葉を尽くしても語り切れた気がしない。そんな無力感を覚える作品。とにかく観ろと。おそらくDVDにはならないので劇場に観に行きましょう。自分は3回足を運びました。ひと月に同じ作品を劇場で3回観るのは多分初めての経験。
ここまで入れ込んでしまう魅力は何なのだろう。
甲府という地方都市での市井の暮らしや街の様子からあぶり出される様々な病根。何故こんな事になってしまったのか、何が悪かったのかという視点がまずひとつ。
そんな閉塞感の漂う状況で、人々は何に拠り所を見いだすのか、どんな逃避先を用意するのか、あるいは何を敵と見なし憎しみあうのか。登場人物を丁寧に観察するという視点。
これらの要素が実に生々しく、そして一見乱暴に、でも実は計算し尽くされた構成で織り上げられているんですね。3回観てもまだ観足りないくらい豊かであり残酷であり魅力的な物語です。
そしてふと我に返り、自らの状況と照らし合わせてみる。ここまで酷くはない?本当にそう?これから先もこんな事にはならないと言える?見えないふりをして誤魔化していた事がいきなり全部ぶちまけられてオタオタしてるというのが今の自分の状況だったり。
とにかく凄い作品ですな。冨田監督の前作『国道20号線』も凄く観たいんだけど、なんとかならないかなー。
他の作品についてはツイートの寄せ集めで。今回から公式のエンベッドを使ってみるよ。
『東京残酷警察』レンタルDVDにて。『ヘルドライバー』が素晴らしかったのでこちらも。血しぶきのクオリティだけで西村喜廣の仕事と分かるのはもちろんだけど、監督作でのイルな世界観が実に素晴らしい。天才ですな。今まで知らなかったのが恥ずかしい。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 1, 2011

東京残酷警察 初回限定“GORE EDITION” [DVD]
『KAMIKAZE TAXI インターナショナル・バージョン』レンタルDVDにて。傑作!キャスティングが完璧だ。ミッキー・カーチスの炸裂するヤバさが素晴らしい。そして凄い振れ幅とエネルギーを伴ってラストまで突っ走る140分。激しくお薦め。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 4, 2011

KAMIKAZE TAXI<インターナショナル・バージョン> [DVD]
『AVN / エイリアンVSニンジャ』レンタルDVDにて。これもSUSHI TYPHOONレーベルの一本。他の作品に比べるとオーソドックス気味だが、キレの良いアクションとセクハラ演出が実に楽しい。エイリアンが殺陣をするとは!ヤラレタ。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 9, 2011
『サウダーヂ』横川シネマにて。少なくとも邦画という括りであればこんな作品は初めて観るといったタイプの代物。ある意味ドキュメンタリー作品よりもリアル。しかも3時間の長尺をこの語り口で破綻なくまとめる力量も凄い。1回観ただけじゃ語れないな。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 10, 2011
『ウィンターズ・ボーン』シネツイン新天地にて。起伏の乏しい展開と淀んだ空気に、観てるだけで鬱になりそう。そんな中で際立つのが女たちの強靭っぷり。土地や家を守ろうとする主人公をはじめ、この土地にしっかりと根を張る女たちの姿に未来を見た。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 12, 2011
『50/50 フィフティ・フィフティ』シネツイン本通りにて。癌を告知されても飄々とふるまう主人公と狼狽える周囲の温度差が面白い。そして徐々に生への執着を見せはじめる変化の描き方が感動的。セス・ローゲンのウザくて最高のバディ感に泣いた。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 12, 2011
『レバノン』レンタルDVDにて。カメラは戦車から出る事なくスコープだけで外部とつながるという特殊なシチュエーション。実戦経験のない新兵が操作するスコープは、彼の目となり戦場の実態を生々しく映し出す。恐怖心が生み出す映像の壮絶さは半端ない。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 13, 2011
『田中さんはラジオ体操をしない』横川シネマにて。本作の面白さは田中哲郎という風変わりで魅力的なおじさんに負うところが大きいかな。外国人監督だからこその眼差しもイイ。数年前の自分だったら「目障りな負け犬」と黙殺してただろうな。ゾッとするわ。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 17, 2011
『サウダーヂ』横川シネマにて。2回目。一見乱暴に配置されたシーン間の関連性が見えてきて唸らされた。前後の脈絡が省略されて分かりにくかったシーンも、そうする事に意味が有ったり。物語が波紋のように広がっていく独特のリズム感の秘密はこれかと。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 17, 2011
『ロスト・アイズ』レンタルDVDにて。ギレルモ・デル・トロ製作のサスペンス。地味ながらなかなかの佳作。姉の死の謎を追う妹が恐怖を追体験するっていうプロットはありがちながら、目に見えない男と目が見えない女の物語ってのが詩情があって良い。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 22, 2011
『ふたつめの影』横川シネマにて。シルヴァーノ・アゴスティ特集上映より。イタリアの精神病院制度の解体という興味深いテーマはもとより、本物の精神病患者が演じる事でまるでドキュメンタリーを観ているようだった。トークショーでの日本の精神病院ビジネスのおぞましい話にも驚いた。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 23, 2011
『サウダーヂ』横川シネマにて。3回観てやっと隅々まで見通せた感あり。こんなにも入れ込んでしまうのは優れた接続性を備えるが故なんだろうな。誰が観ても刺さるシーンの1つや2つあるのでは。こんなにも心に引っ掛かり続ける作品はそんなにはない。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 23, 2011
『ロルナの祈り』レンタルDVDにて。巨匠ダルデンヌ兄弟の見逃してたやつ。説明的シーンは一切ないのに状況を理解できてしまう語り口にはいつも感心する。結構複雑な社会状況を背景にしてるのにね。そして主人公の揺れ動く心理描写がこれまたお見事。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 24, 2011
『アドベンチャーランドへようこそ』TV録画にて。ジェシー・アイゼンバーグ主演なのにDVDスルーになったやつ。それくらい平凡な作品だけど、80年代感を楽しむためのものだから仕方ないかな。彼のモテ男役ってはじめて観たけど、嫌みがなくてすごく良いね。さすが永遠の童貞俳優。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 25, 2011
『宇宙人ポール』サロンシネマにて。エイリアンを助ける二人の英国人もアメリカ的にはエイリアンという構図ですな。3人のエイリアンのロードムービー。エドガー・ライトの不在が惜しいけど、ペッグ&フロストの映画愛がイイ。ビッグガイのキャストに爆笑。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 26, 2011

宇宙人ポール(サイモン・ペッグ、ニック・フロスト出演) [DVD]
『ラビット・ホール』サロンシネマにて。ニコール・キッドマンの美貌に見惚れる90分。『ヘドウィグ…』の監督っていうからけたたましさを想像するも、逆に抑えた演出で喪失の痛みが伝わる良作でした。明るい未来の予感をまとうエンディングは好きだ。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 26, 2011
『恋の罪』サロンシネマにて。面白いけどトゥーマッチかなぁ。ここまでくると状況の卑近さが薄れてホラー作品になってしまった感がある。『冷たい熱帯魚』はあり得る状況が怖かったんだが。エンディングにも使われるゴミ回収車のエピソードは凄く良いね。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 26, 2011
『永遠の僕たち』シネツイン本通りにて。ガス・ヴァン・サントの新作でデニス・ホッパーの息子が主演、すなわちマスト。この人の瑞々しく美しい作品を作る能力はどこからくるのか。ミア・ワシコウスカの儚いキュートさにもぐっときた。洋服好きも要注目。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 29, 2011
『カーネーションの卵』横川シネマにて。シルヴァーノ・アゴスティの代表作という事でチョイス。子供の眼差しというフィルターを通して描かれる第2次大戦末期の北イタリア。子供視線で見る大人の行為がなんとも滑稽で愚かしく見えてしまう不思議。映像も素晴らしい。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 29, 2011
『ソーシャル・ネットワーク』TV録画にて。何度見ても猛烈に面白い。やっぱ年間ベストからは外せないなぁ。前にも書いたけど、アイディアよりも速攻で実装してローンチする事の方が重要だって事だよね。まぁ、偏った観方だって事は認めますよ、はい。
— Ryoichi Tanaka (@wiggling) December 30, 2011







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