viii – 2011年11月、世界でいちばんヤバかった広島

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2011年11月、広島の地をサブカル色に染め上げた驚異のイベントviiiが大盛況のうちに幕を閉じました。

1ツキに8イベント viii in 広島

おそらく東京でもこんな体験はできないだろうというくらい濃厚な1ヶ月でありました。自分は5つのイベントに参加させてもらったので、怒濤の1ヶ月を振り返りつつ感想的なものを書いてみます。

きっかけは、「根本敬先生と広島でホルモンうどんを食す会が行われる」という怪電波をキャッチしたことから。Twitterもしくはどこかのサイト経由でしょう。

ホルモンうどんって、「人生解毒波止場」に登場したアレ?そういえば広島だったっけな。

調べているうちにとんでもないイベントにぶち当たります。それがviiiとの邂逅。

なんじゃこりゃ!!と興奮しつつも、「広島解毒波止場」「TRASH-UP!! in 横川グラインドハウス」「人生相談番外地 〜横川シネマ編〜」「都築響一トークショー」の4イベントのチケット手配&予約に走ります。とりあえず自分基準でテッパンなイベントだけは逃すまいと。

しかし、このラインナップの異常さはどうした事でしょう。近年のアニメやアイドル, ゲームといったライト系サブカルとは完全に別文脈のリアルサブカルではないですか。つまり自分的ド真ん中。

中には初耳のものもあって新たな出会いにも期待できそう。余裕があれば参加の方向で。でもオールナイトやコスプレは厳しいのでパスの方向で。

広島解毒波止場 / 晩秋・果因ツアー (11/3)

最初のイベントから超ディープ。

  • 第一部 根本先生と巡る”世界遺産~ホルモン”ツアー
  • 第二部 根本敬トークショー

もちろん両方に参加。

根本先生との出会いはもう30年近く前、漫画家デビューされて間もなくでしょうか。月刊宝島の漫画特集だったと思うのですが、そこに掲載された作品を読んで以来のトリコじかけです。見開きページに荒々しくも緻密に描き込まれた村田一家の惨殺現場の衝撃といったら。

その頃はちょうどコチラとアチラの境界線上をフラフラと彷徨っていた時期で、これをきっかけにアチラ側に舵をきることになった訳ですね。なので多大な影響というレベルではなく、自分の一部は根本敬で出来てるってくらい。

そんな方にお会いできるって事で、年甲斐もなく緊張状態。お腹が痛くなりそう。

まずは原爆ドーム前で不謹慎な集合写真をパチリ。先生、なんか特殊なお車でお越しになってますよ。さすがブレてな〜い。

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小学校以来の平和記念資料館を見学した後、問題の福島町に移動。ホルモン昼食です。うぉっぷ…。

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ホルモン天ぷらは何を食べてるのか良く分からないんだけど、これが美味いんだ。揚げ物禁止の自分もこの日ばかりはパクつく。

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しかし、でんがくうどん(ホルモンうどん)のビジュアルは凄かった。お汁の中に内臓のヒダヒダがふよふよと漂ってるんだよね。そしてこれも美味いの。

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「人生解毒波止場」には食べ損ねた話が書いてあるんだけど、先生それ以来ずっと食べれずにいたそうで。実に十数年ぶりだったんだって。イイ話だ。

昼食の後は周辺を散策しながらヲルガン座へ移動、コラボ作品を作ってる河村康輔氏との対談形式で作品解説。

そしていよいよ第二部。UPLINKで定例開催されている「根本敬の映像夜間中学」と同形式で特殊映像の上映&解説です。

いまはなき中目黒の電波喫茶の貴重な映像からスタート。いきなりアガります。

史上最高齢ラッパー坂上弘のボツCMや、佐川一政や勝田清孝といったワケアリ人物関連映像も。特にシリアルキラー勝田を報じるワイドショーが凄かった。これおそらく史上最強のゴミ番組。殺人の6日後にクイズ番組に出演した事を報じているんだけど、延々と流されるそのクイズ番組も酷い代物だし、レポーターの低能ぷりも放送事故レベル。いやー、凄いものを見てしまった。

そしてラストは伝説の映像。内田裕也のロックンロール・ショーに乱入した勝新太郎がマイ・ウェイを大熱唱し、完全に乗っ取り状態になってしまってる映像。所在なさ気にたたずむ内田裕也。この映像で勝新のズルムケぶりを真に理解する事ができた気がする。

という事で、この日は自分のサブカル人生が走馬灯のように頭の中を駆け巡る貴重な一日になりました。先生の最近の著書は読んでなかったんだけど、これを機に全部読ませていただきますです。

TRASH-UP!! in 横川グラインドハウス (11/12)

これも素晴らしすぎる企画。9月に体験したカナザワ映画祭にもひけをとらない映画イベントでした。

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とにかくTRASH-UP!!編集長の屑山屑男氏による作品ラインナップが凄い。

  • 『悪魔のいけにえ』トビー・フーパー【爆音上映】
  • 『地獄の門』ルチオ・フルチ
  • 『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』ジュリアス・ケンプ
  • 『廃棄少女(ロング・ヴァージョン)』内藤瑛亮
  • 『わたしの赤ちゃん』磯谷渚
  • 『電撃』渡辺あい

『悪魔のいけにえ』をスクリーンで観るのは実は初めて。しかもオリジナルのモノラルサウンドで爆音上映ってんだから、凄まじいものになるのは必至。で、本当にヤバかった。

爆音上映はカナザワ映画祭で初体験したんだけど、正直ピンと来なかったのよね。音のバランスが悪いんじゃない?という感じ。なんかセリフも聞き取りづらいし。

ところが、この上映は実に素晴らしかった。発動機の乾いた爆音とチェーンソーの甲高いエンジン音がすごく効果的に神経に絡み付く。あと逃げ惑う女の悲鳴のうるささね。樋口泰人さんによる絶妙のチューニングのおかげなのでしょう。

朝日を背にレザーフェイスが舞うラストシーンでは涙ぐんでましたよ。自分の映画史に強く刻み込まれる上映でした。

あと、注目してた『廃棄少女(ロング・ヴァージョン)』もやはり良かった。アクション演技のキレがもう少し欲しかったけど、さすがの構成力です。そして『先生を流産させる会』にも見られた不穏な空気感がここでも濃厚に漂っていました。

『わたしの赤ちゃん』『電撃』もびっくりするくらい良かった。どちらも女という生き物の奇妙な生態を描いたもので、まぁ怖いですよ。そして、どちらも想像を絶するラスト。凄いわー。

トークショーを入れて7時間のマラソンイベントはあっという間に終了。

伊勢田勝行アニメ上映会 (11/20)

アニメ嫌いの自分的には当然のようにスルー予定だったイベント。

ところが、「日本のヘンリー・ダーガー?」という評判を聞きつけ、俄然興味が湧いてきたのでした。それならば観るべきだろうと。

で、3作品2時間半の上映後には頭の中ははてなマークだらけ。あまりにも分からなすぎ。いや、作品が難解というのではなく、何故こんな作品ができ上がるのかという意味で。

ヘンリー・ダーガーの時代と彼の地下生活者ぶりから”Vivian Girls”のような作品が生まれるのは理解できるけど、現代の日本でそれなりの社会生活をおくる人間からこんな代物が生まれ得るものなのかと。狙ってやってるならまだしも、ナチュラルでこんなものが出てくるものなんだろうか。

今であればデジタル技術でもっと「マシな」ものが作れるだろうに、何故すべてアナログなのか。アニメーターや声優を雇えないから仕方なく自分でやる、という説明だけでは納得できないものがあります。

ただ、このテイストだからこその破壊力であるし、この手法を20年以上変える事なく創作を続けている事に意味があるわけで。ほんと、埋もれる事なく世に出て良かった。今回のイベントでの最大の収穫かも。

人生相談番外地 ~横川シネマ編~ (11/26)

これはもう説明の必要はないでしょう。名コンビ、吉田豪と杉作J太郎の人生相談のふりをした野獣トーク。

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  • 相談者「働きたくないんですが」Jさん「全く同感です!」
  • 相談者「会社の後輩が自分勝手なのですが」Jさん「そいつはサイコパスです!」
  • Jさん「中学生の代わりにエロを本買い出しするビジネスってどう?」豪さん「中学生の小遣いを狙うのかよ!」

なんというか、豪さんの女房ぶりにいたく感心しましたね。Jさんを自由に泳がせつつも、手綱はしっかり握ってコントロールしているところ。でも自分の下半身をネタにされそうになった時の反応が可愛かったりしてね。

あと、Jさんのフリーダムっぷりを見てると貧乏も悪くないと思えてくる。というか、ギリギリの貧乏状態だからこそ生まれるものも確実にあるよなぁと。見習わねば。

なんと4時間もの駄トーク。まぁ無駄っちゃ無駄なんだけど、宝は無駄の中にしか存在しないわけで。命を懸けてでも守る必要があるのです。

都築響一トークショー (11/27)

いよいよフィナーレ。そしてフィナーレにふさわしいイベント。猛烈にシビレました。

こちらも写真やビデオを映しながらの面白トークなんだけど、都築さんがフィールドワークで集めた素材がネタだから、その面白さは折り紙付き。

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とても2時間では足りないエログロまみれな内容です。個々の内容はリンク先でその片鱗を見る事ができるのでご覧いただければ。

世間から蔑まれ見向きもされないけど猛烈に面白いアートや風俗、そんな特殊物件を丹念に拾い上げ我々に紹介してくれるという意味では、最初の根本先生とも共通するところがありますよね。というか、このviiiというイベントすべてがこのアティテュードに貫かれていた。

終演時の都築さんのまとめがこれまた素晴らしくて泣きそうになってしまいましたよ。

いかにして耳を塞ぐかという事がとても大切。もっともらしい事を言う連中に耳を貸してはいけない。場や空気はすべてノイズと思え。ニャン2のようなエロ雑誌だから、東京の右半分での事だから、AVメーカーのやることだから云々、そんなノイズに惑わされる事なく自分の感覚だけを判断基準にすればいい。

いやー、金言ですな。深く反省するとともに勇気も湧いてくるお言葉。

そして帰りの電車で書き込んだツイート。いいこと言うねオレ!

都築響一トークショー、破壊的な面白さだった。そしてviiiのフィナーレに相応しい内容。今回のすべてのイベントは、ここに集束するために放たれたと言っても過言ではない。
@wiggling
Ryoichi Tanaka

そんなわけで後夜祭のUSTREAM中継を観ながらこれを書いてますが、なんか来年も色々やるそうなので今から期待しています。

主催のai7nさんをはじめスタッフの皆様、死ぬほど大変だったと思いますがその甲斐は十分あったと思いますよ。これからも草葉の陰から応援してます。素敵なイベントをありがとう!

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