4月は久しぶりに東京に行く機会があったので『100,000年後の安全』を観てきました。衝撃的な映像がある訳でもなく始終静かな語り口ながら、その内容は自分が同じ人類である事を懺悔したくなるようなものでした。
折しも浜岡原発停止をめぐって様々な意見が交わされている最中ですが、そんな理屈はクソくらえと思えるくらい破壊的事実が描かれたドキュメント作品です。仮に電力不足で生活が究極に不便になろうが経済恐慌が吹き荒れようが日本の国力が地に落ちようが、放射性廃棄物の生産を即刻止める事に議論の余地はありません。
いちばんの問題は、人類は放射性廃棄物を無害化する術を持っておらず、原発で作られ続けている廃棄物を数十万年の長きにわたって安定的に保管しなければならないという事。数十年じゃなくて数十万年ですよ。
こちらのラジオ番組で京大の小出先生は百万年とおっしゃってますね…。
5月6日 浜岡だけでなく全原発を止めるべき 小出裕章 « 小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
この映画の中で、最終処分場プロジェクトのメンバーに施設の管理を十万年ものあいだ責任を持てるのか?と質問しても答える事ができません。当たり前ですよね。数千年前のピラミッドの謎も解けないのに数十万年って。十万年前ってネアンデルタール人の時代ですよ。
映画の舞台であるフィンランドにはこうして最終処分場が作られているけど、日本にはそれすらありません。数百度の熱と夥しい放射線を発し続ける大量の廃棄物が行き場所もなく、たとえば福島だと原子炉のそばに保管されたあげく事故で大変な事になっているという。
この映画、50分の短縮版がNHKで放送されます。映画を観れない人は是非観てください。普通の人間であれば理屈を超えて細胞レベルで拒否反応が起きるはず。
2011年5月18日 水曜深夜[木曜午前 0:00~0:50]
世界のドキュメンタリー <シリーズ 放射性廃棄物はどこへ> 地下深く 永遠(とわ)に ~核廃棄物 10万年の危険~
それ以外の映画はツイートの抜粋で。
『ヤコブへの手紙』サロンシネマにて。なかなかの秀作でした。他人を救うための行為で救われていたのは自分だったと気付くプロットは他の作品でも良く見かけるけど、こんなに良い出来の脚本ははじめてかも。ラストで感情が大決壊するのでご注意。 http://coco.to/1628
『君を想って海をゆく』サロンシネマにて。諦念感を纏う中年男が不法移民の若者との出会いを通じて失ったものを取り戻していく物語は、傑作『扉をたたく人』にそっくり。そしてこちらも傑作。若者から刺激を受け社会に再接続しようともがく様が心を打つ。 http://coco.to/1628

君を想って海をゆく [DVD]
『ヤング・ゼネレーション』DVDレンタルにて。全部入り傑作青春映画。『グッド・ウィル・ハンティング』は多分これのインスパイアですな。多少なりとも自転車競技を知ってる人間的には頭が?マークだらけになる競技シーンがネックかも。 http://youtu.be/J1jzs6dk4bs

ヤング・ゼネレーション [DVD]
『ソウル・キッチン』横川シネマにて。素晴らしい。かなり強引で都合の良い展開だけど、勢いで最後まで持って行かれる感じのパワフルな作品。エミール・クストリッツァが好きな人は気に入るんじゃないかな。お薦め。 http://coco.to/1628
『100,000年後の安全』UPLINK Xにて。フィンランドの放射性廃棄物の最終処分場は10万年後まで開けてはならないという。誰がその責任を持つのか。でもこれはまだマシな方で、日本はその処分場すら存在せず日々廃棄物が生み出され続けている。 http://coco.to/1628
『3時10分、決断のとき』レンタルDVDにて。最高に素晴らしい。終盤は展開が完全に予想できたけど、それでも大号泣メーン。完璧さに潜むほつれがドラマを生むのだ。ラッセル・クロウじゃなければもっと良かったかも。 http://coco.to/1628

3時10分、決断のとき [DVD]
『トスカーナの贋作』サロンシネマにて。なんともキアロスタミらしい奇妙な作品。この人って嘘が生み出すマジカルな物語に取り憑かれてるんだなぁ。『桜桃の味』とか『クローズアップ』とか。そして、自分のような枯れ男の視線を胸元に釘付けにするジュリエット・ビノシュの熟女力がぱねぇ。
『アンチクライスト』サロンシネマにて。なんという容赦のない作品。シャルロット良く頑張った。こんなふうに倒錯や苦痛を正面から描いてしまうのがトリアーだよなぁ。宗教色が濃そうなテーマは正直良く理解できてないけど。しかし、修正が入ってて助かったと思うのはこれが初めてだ。
『わたしを離さないで』シネツイン本通りにて。原作の穏やかなイル感を壊す事なく丁寧に作られた良作。映像化でイメージが膨らむ所も多く、さすがはマーク・ロマネク。デビュー作にしては上出来。キャシー役にはキャリー・マリガン以外にありえない適役ぶり。 http://coco.to/1628

わたしを離さないで [DVD]
『ブンミおじさんの森』サロンシネマにて。こんな奇妙な作品をパルムドールに選んでくれたティム・バートンに感謝。かつては寄り添って生きていた森の精霊や死者たちを人間は追い払ってしまったんだなぁと。ただし説教臭さは皆無、ユーモラスで美しい傑作。 http://coco.to/1628
『台北の朝、僕は恋をする』サロンシネマにて。ヴェンダース監督総指揮でエドワード・ヤンの弟子が監督という期待感を軽やかに裏切ってくれる、なんとも可愛らしいラブコメ&フード映画。主演のアンバー・クォが超ラブリー。彼女を観るための作品かと。 http://coco.to/1628
By amagawawaw 2011 年 5 月 10 日 - 4:47
twitterではどうも。
聞いただけでも吐き気を催すようなこんなニュースもありました。
有り得ないです。
核処分場:モンゴルに計画…日米、昨秋から交渉 – 毎日jp(毎日新聞) http://bit.ly/jYcUrC
By tnk 2011 年 5 月 10 日 - 8:50
本当に恥ずかしい国ですね。自分の排泄物を他国に押し付けるなんて。
すでにある廃棄物の処理については、小出先生の言うように「東京に埋めろ」に全面同意です。