1月に観た映画30本中の20本が未公開映画祭の作品という事で、今回はその辺のお話を。
もう何度か取り上げてるので概要は省略。いきなり個人ベスト5いきます。一応全作品観ています。
- ジャンデック 〜謎のミュージシャンの正体を追う〜
- ジーザス・キャンプ 〜アメリカを動かすキリスト教原理主義〜
- ビン・ラディンを探せ! 〜スパーロックがテロ最前線に突撃!〜
- ステロイド合衆国 〜スポーツ大国の副作用〜
- 600万のクリップ 〜ホロコーストを学ぶ〜
2,3,4位は人気作なので改めて説明する必要はないでしょう。
1位の『ジャンデック ~謎のミュージシャンの正体を追う~』を上位に挙げる人は少ないんじゃないかな。自分はジャンデックの活動時期と同じ頃にUSインディーにハマってたので、当然彼の事も耳にはしていました。でもその頃のシーン的にも音的にも完全に逸脱していて別枠扱いだったんですよね。もう完全なるアウトサイダー。そして相当にヤバい存在。
例えばこんな曲。危険!
その謎だらけの彼の一端を垣間見れる代わりに、さらに謎が深まってしまう恐ろしい作品です。自分は番組で取り上げられて初めてこの作品の存在を知りました。今回のDVD化のラインナップには入ってませんが、これこそDVD化すべきだろうと。
5位の『600万のクリップ ~ホロコーストを学ぶ~』は、ずっと残念なアメリカ像ばかり見てきたところにこんな感動作が入ってて、素直に心を震わせてしてしまったという事で。
今回の未公開映画祭は、よくぞやってくれたと諸手を上げて称賛したいですね。番組はまだ続いてるので、第2弾の開催も期待して良いでしょう。という事で、次回は是非ともiTunesStoreでの配信をお願いしたいところです。価格設定やセット販売等の面で不自由さはあるかもしれませんが、まずは利用者の便宜を第一に考えて欲しいです。あと、せめて予告編はYouTubeにアップしてください。今のスタイルだと、こうやってブログに書いてもembedできないんですよ。バイラル効果も活用していきましょうよ。期待してまーす。
その他の作品はツイートから。
新年一本目の映画はイーサン・コーエン『赤ちゃん泥棒』。自分にとって完璧な作品の1本。何度観ても冒頭10分で号泣できるのだ。『ノー・カントリー』と共通点のあるシーンが見られるのも興味深い。 http://j.mp/hNe04S
『クルード ~アマゾンの原油流出パニック~』未公開映画祭にて。映画は原告有利で幕を閉じてるけど、これで「正義は勝つ」なんて思ってはいかんよね。石油会社を太らせた責任は、利便性を求め続ける我々にもあるんだから。テキサコ=自分と置き換えて観れば、これからどうすべきか見えるはず。
『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』シネツイン本通りにて。うーん実に凡庸。けなす所もないけど褒める所もないんだよな。ビートルズファンなら見方が違うのかもしれないけど。せめてジョン・レノンに声が似てるとかあれば良かったんだけど。 http://coco.to/1628
『義兄弟 SECRET REUNION』シネツイン新天地にて。韓国映画はどうしてもハードルが高くなるんだけど、これは単純に楽しめる娯楽作ですな。ソン・ガンホがはまり役をやってるってだけで観る価値あり。 http://coco.to/1628
『レリジュラス ~世界宗教おちょくりツアー~』未公開映画祭にて。宗教モノは前提知識が乏しいのでちょい苦手だけど、これはかなり笑えた。普通なら袋叩きにされそうな状況なのに、最高に面白い展開にもっていくビル・マーの話術に感服。恐ろしく頭のいい人だ。
『マッド・ムービーズ 〜オーストラリア映画大暴走〜』未公開映画祭にて。デニス・ホッパーのエピソードが激しく面白い。デタラメ過ぎな現場でも飛び抜けてクレイジーだったのは米国人の彼だったとか。運転禁止ってのは分かるけど、乗車禁止ってなんだよ。タラちゃんのはしゃぎっぷりも最高。
本日の映画はロネ・シェルフィグ『17歳の肖像』。お話は月並みだけど、主演のキャリー・マリガンが抜群。この娘は久々にヤバいわ。「21世紀のオードリー・ヘップバーン」って言われるのもすごく良く分かる。カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』に主演するらしいので要チェック。
『グッド・ヘアー 〜アフロはどこに消えた?〜』未公開映画祭にて。黒人女性は直毛に尋常じゃない金とリスクを注ぎ込んでるという話。こればかりは美への価値観が変わるか、遺伝子操作が一般化するまで食いっぱぐれのない商売だなー。そして狂った世界。
『クレイジー・ラブ 〜ストーカーに愛された女の復讐〜』未公開映画祭にて。これまた『ザカリーに捧ぐ』と同じくらい奇妙な実話。度を越したモンスター男に巻き込まれ彼に同化してしまったんだろな。少なくとも復讐目的とは思えなかった。カルト宗教と信者の関係に近いものがある。
『さんかく』DVDにて。オスという生き物の愚かさが突き刺さった。観てて逃げ出したくなったぞ。男はなぜ浮気をするのかについてのテキストとしても最適。前作『純喫茶磯部』も最高に面白かったし、吉田恵輔監督の作品は全部観るべき。 http://coco.to/1628
『イエスメン2 〜今度は戦争だ!〜』未公開映画祭にて。方便としての嘘と冗談で済む嘘を絶妙なバランスで繰り広げる二人のキレ者。前作と比べてもヤバが格段にアップしてる。そして仕掛けが驚くほど有効に機能している。こいつら天才かも。 http://t.co/Gr9JMtI
『乱暴と待機』シネツイン新天地にて。なにこれ面白い!こいう演劇っぽいのは苦手なんだけど、キャラのバランスが絶妙ですべてがかみ合ってた。そしてもの凄い名言いただきました。「その辺はもう積極的に麻痺していこうよ」。積極的に活用していきたい。 http://coco.to/1628
『クローゼット 〜ゲイ叩き政治家のゲイを暴け!〜』未公開映画祭にて。これも歪んだキリスト教がもたらす弊害だよなぁ。宗教右派こそが世の中を狂わしている諸悪の根源という確信がさらに強固に。これ観ると、ハーヴェイ・ミルクがどれだけ凄い人だったかが良く分かる。
『バーチ通り51番地 〜理想の両親が隠した秘密〜』未公開映画祭にて。昔は良かったなんて事言うけど、当時は当時なりの複雑さがあった訳で、みんな悩んでいたんだよというお話。時代を超えた普遍的真実はたった一つだけ、聞き上手はモテるって事ですな。みんながんばれ。
『パティ・ハースト誘拐 〜メディア王令嬢のゲリラ戦記〜』未公開映画祭にて。事件そのものより当時のメディアのあり方が興味深い。被害者宅に押しかけるレポーターの様子は今と変わらないし、銃撃戦の生中継なんて無茶な事してる。OJシンプソン追跡ライブの20年以上前にこんな事してたのね。
『ロック・スクール 〜元祖白熱ロック教室〜』未公開映画祭にて。ジャック・ブラックの『スクール・オブ・ロック』の元ネタ。というかほとんどパクリ。でも、こういうオールドロック脳の落ちぶれたミュージシャンに音楽習っても未来はないと思うんだ。音楽への入り口としてなら構わないけど。
『その街のこども 劇場版』サロンシネマにて。渡辺あや脚本って事でマスト。そして期待以上の出来に満足。脚本の良さは勿論だけど、屈折したキャラを見事に演じた森山未來に感心した。意識してなかったけど、16年前の今日だったんだね、阪神淡路大震災。 http://coco.to/1628
『ソフィアの夜明け』サロンシネマにて。ブルガリア映画ってどんなだろうと観たら、やたらと既視感のある作品だった。この出口の見えなさ感は国を問わず幾度となく描かれたもの。ブルガリアといえばヨーグルトしか思い浮かばない残念なおいらです。 http://coco.to/1628
『600万のクリップ 〜ホロコーストを学ぶ〜』未公開映画祭にて。これは素晴らしい。教育の理想形ですな。生徒はもちろん、教師から地域まで、果ては海外まで巻き込んで全員が成長するという。連日アメリカの残念なところばかり見てきてるけど、こういった面もアメリカらしさなんだよな。
『ブラック・コメディ 〜差別を笑い飛ばせ!〜』未公開映画祭にて。黒人コメディアンを軸に黒人ショービズ界の歴史を描いた作品。マキタスポーツのライナーノーツが完璧なのでそちらを読むべし。彼らの舞台をダイジェストじゃなくてちゃんと見たいんだけど、良いDVDが見当たらないなぁ。
『収容所のラブレター』未公開映画祭にて。ホロコーストもの再び。当時のユダヤ人強制収容所の本物の映像が凄い。これまでいろんな作品で再現映像を観てきたけど、本物の地獄っぷりに圧倒される。いちおうラブストーリーなんだけど、背景がこんなに強烈だと霞んじゃうね。
『息もできない』サロンシネマにて。もう一度スクリーンで観たくて2度目の鑑賞。暴力を描くならこれ位思い切りやらないとね。骨を打つ鈍い殴打音が耳から離れない。それでしか伝わらない事があるからこその傑作なわけで。2010年の個人的ベスト作品。 http://coco.to/1628
『森崎書店の日々』サロンシネマにて。これは森崎書店の佇まいに尽きますな。建物が主役の映画を久々に観た。それと岩了ですよ、岩松了。きたろうもちょい役で出てるし、オヤジを主食にしてる方にもお薦め。 http://coco.to/1628
『サーフワイズ 〜ユートピアを目指した放浪大家族〜』未公開映画祭にて。これは深い。構図としてはカルト集団の中で育てられ、成人していきなり世間に放り出された子供たちの受難劇。だけど、教祖たる父親の言う事も間違ってる訳ではないし。子育てに正解はないという事か?
『ニューヨークお受験戦争 〜それは保育園から始まる〜』未公開映画祭にて。大変な事になってるけど、そんなとこに住んで子供育てようとすれば仕方ないよね。どちらかというと、ものすごいと言われてる韓国の受験事情について知りたいかな。
『ビアポン 〜世界一バカなスポーツ〜』未公開映画祭にて。いやいや、十分面白いっすよ。シンプルな競技だからテクニックや戦略よりもメンタル面の比重が高い。敷き居の低さと中毒性はパチンコ並だけど、こっちの方が全然健全だよね。
『ビーイング・ボーン 〜驚異のアメリカ出産ビジネス〜』未公開映画祭にて。ここにも民衆に恐怖を植え付けて儲けようとする連中の影が。出産シーンをやたらと恐ろしげに描くメディアもその手先だよね。これから出産する予定がある人は観るべし。河瀨直美『玄牝』もあわせてどうぞ。
『ライト・テイクス・アス 〜ブラックメタル暗黒史〜』未公開映画祭にて。これは観なくても良かったな。テーマに興味ないし作品としても全く面白くない。
『アンダー・ザ・スキン 〜ライム病との戦い〜』未公開映画祭にて。これは結構ヤバイ予感がするぞ。AIDS並の脅威なんじゃないの。病気の存在を隠す政治的、経済的な理由も説明つくし。これも不透明さ故の災厄だよなぁ。
『カジノ・ジャック 〜史上最悪のロビイスト〜』未公開映画祭にて。ここまでの事をやっといて禁固4年で済むんだから甘いよなぁ。今の世界不況の種をまいたような奴だぞ。この続きはマイケル・ムーア『キャピタリズム 〜マネーは踊る〜』に描かれている通り。




