2010年6月に観た映画:上半期観るべき2本『息もできない』『告白』
6月はレース参戦を兼ねて上京したので、久しぶりに東京で映画三昧してきました。やっぱり映画好きには東京は最高の環境ですな。6月で閉館するライズBFとライズXにも行けて良かった。
12本のうち劇場で観たのは7本。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスの隙間って事で少しだけ復調。
今回のピックアップは1本に絞れず、ヤン・イクチュン『息もできない』と中島哲也『告白』の2本です。前者は公開館の少なさのせいで観るのが遅くなってしまいました。
まず『息もできない』ですが、このところ重要性が高まる韓国映画の価値をさらに高める大傑作ですね。ヤン・イクチュンが私財を投げ打って作り上げたという完全なインディーズ作品なのですが、自家製爆弾をこっそり造っていたら核爆弾ができ上がってしまったという感じ。
しかしあんなDQN顔の兄ちゃんからこんなものが出てくるなんて、そういう意味でも有りえない作品ですな。次作を期待したい所ですが、たとえこれ一本で終わったとしても納得できてしまいます。
そして『告白』の方は、リアリズムの塊である前者とは正反対の非リアリズムを突き詰めたような作品。しかもレベルの高さはハンパないという。過剰に作り込まれた映像に違和感があって中島作品は全く観てなかったのですが、これは過去作もちゃんと観るべきだなーと。
本作ではいろんな手段で異形ともいえる閉空間を作り上げているのですが、そこで展開される壮絶ないじめと復讐劇を我々の日常から切り離されたものとして「観賞する」事ができるという効果をもたらしているように感じました。もしこれをリアル寄りに作ったとしたら、それこそ見るに堪えない胸くその悪いものになってしまったのではないかと。うーん、いろんな意味で問題作。
その他の映画はツイートから。
本日の映画はジョニー・トー『エグザイル/絆』。なにこれ面白すぎる。シビレた。完璧だ。号泣メーン。もっと早く観ればよかった。新作『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』も観賞決定。
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』観た。期待を裏切らないコテコテのジョニー・トー・ワールド。予定調和とも言えるけど彼の場合はそれでいい。ぶっちゃけ最高である。
とてつもなくヤバイもん観た。まさに『息もできない』。窒息死寸前だ。
『告白』は完全に規格外の怪物級傑作だった。こんなの滅多に観れるもんじゃない。きっとあと10回くらいは観る事になると思う。
『エンター・ザ・ボイド』もなかなか凄かった。ズブズブのギャスパー・ノエ・ワールド。こんなヒプノティックな映像はちょっとない。なんつってものたうつようなカメラワーク!
ジェーン・バーキンって単品だと異形系なのに、こんなに輝く存在にしてしまうゲンズブールってやっぱ凄い。あの立ち(座り)ションの美しさといったら。>『ジュテーム・モア・ノン・プリュ』
『ローラーガールズ・ダイアリー』『プレシャス』は共に親が子供の成長に与える影響の大きさの話だった。どちらの主人公もその呪縛から逃れられるんだけど、そうならないケースの方が圧倒的に多い訳で。世の親たちに観てもらいたいなぁ。
本日の映画はアッバス・キアロスタミ『桜桃の味』。自殺願望を持つ男の心の機微を見事に描いた傑作中の傑作。自分が変われば世界も変わるのだ。しかし、こうやって推薦しても観るすべがないのは本当に残念。DVD再発してくれ。
本日の映画はアボルファズル・ジャリリ『少年と砂漠のカフェ』。イラン映画に子供が主役の作品が多いのは、子供の視点で今のイランを映し出そうとしてるんだろな。まぁ成功してるんだけど、どれも似たテイストになっちゃうんだよなー。良作ではある。
本日の映画はサミラ・マフマルバフ『ブラックボード – 背負う人』。イランの巨匠たちはいつも知らない世界を見せてくれるなぁ。そして目にも嬉しいシュールな映像に満ちてるのも本作の特長。乾いた土地でゆれる人間模様は何故こんなに面白いのか。
本日の映画はピーター・ジャクソン『乙女の祈り』。指輪物語を撮ると聞いた時は意外だったけど、これ観ると全然自然な流れですな。昔観た時は魚をマイクにオペラを歌うシーン(『ブルー・ベルベット』のオカマのカラオケに匹敵する名シーン)が強烈過ぎて、他の部分を完全に忘れてた。
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