表現する事は未来に繋がる『未来を写した子どもたち』


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未来を写した子どもたち / BORN INTO BROTHELS : Calucutta’s Red Light Kids (2004年, アメリカ)
監督:ロス・カウフマン, ザナ・ブリスキ
出演:コーチ, アヴィジット, シャンティ, マニク, 他
公式サイト:http://www.mirai-kodomo.net/

このところ『闇の子供達たち』『ウォー・ダンス 響け僕らの鼓動』といった子供達の受難を描いた作品が多く公開されていますが、本作もそんな一本です。2005年にアカデミー賞最優秀ドキュメント賞を受賞した作品なのに、日本ではやっと公開にこぎ着けたというもの。

巷の評判に違わず、これこそドキュメンタリーのお手本のような素晴らしい作品でした。間違いなく今観るべき映画でしょう。

インドのカルカッタ。売春窟で生まれた子どもたちの将来は、親の仕事を継ぐ以外になかった。写真家ザナ・ブリスキは売春窟での撮影を続けるうちに、子どもたちにカメラを与えて写真教室を開く。初めて自分たちの可能性を知った子どもたちは、写真を通して将来に夢と希望を抱くようになる。ザナは子どもたちの将来を案じ、その環境から救い出したいと努力するが、それは苦難に満ちた道のりだった。というお話。

本作の特徴は、子供達の悲惨さを殊更に強調するようなカメラワークを廃して極力淡々と記録している点でしょう。そこに映し出される過酷な環境は子供達にとっては日常であり、生まれた時から慣れ親しんだ境遇である事を感じ取れる映像になっています。それ故、日本に暮らす我々のヌルさとの落差が痛い程に伝わってくるのです。これこそドキュメンタリー作品のあるべき姿でしょう。

そしてそのワンカットワンカットが、悪臭や不快指数の高さを伴う生々しさで迫ってきます。そして片時も目を離す事ができない程の美しい映像。極彩色の衣装や子供達の笑顔の美の美しさといったら、これがもう…。

子供達が撮る写真も、そういった空気感を胸一杯に吸い込んだようなエネルギーに溢れています。美しさや力強さはもちろん、何よりも彼等の眼差しが素晴らしい。表現する喜びに溢れた作品は、観ているだけで胸が熱くなります。

中でも際立つ才能を見せたアヴィジット君、この9月からニューヨーク大学への進学が決まったそうです。マーティン・スコセッシやスパイク・リーの後輩になるそうです。彼の活躍を願い、アヴィジットという名前をしっかり記憶に刻んでおきましょう。

映画/未来を写した子どもたち – cinemacafe.net

彼のように明るい未来に歩む子供もいれば、せっかく入学した学校を辞めて「家業」を継ぐ子供もあるという現実もあり、なかなか辛いのですが、こうした積み重ねが将来に繋がると信じたいものです。

ところで、残念なのは公開劇場が非常に少ない事。東京でも銀座シネスイッチの単館上映というありさまです。アカデミー賞受賞作なのに。まったく、どうなっているんでしょうか。

なお、シネスイッチ銀座では彼等の作品が展示されているので、是非実物に触れて素晴らしさを体感してください。

では最後にトレーラーをどうぞ。


 

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