
リダクテッド 真実の価値 / Redacted (2007年, アメリカ)
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ
出演:ロブ・デヴァニー, イジー・ディアズ, パトリック・キャロル, 他
公式サイト:http://www.cinemacafe.net/official/redacted/

ダイアリー・オブ・ザ・デッド / Diary Of The Dead (2008年, アメリカ)
監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
主演:ミシェル・モーガン, ジョシュ・クローズ, ショーン・ロバーツ, 他
公式サイト:http://www.diaryofthedead.jp/
『クローバーフィールド』がきっかけなのかどうか分かりませんが、この手の作風の映画が増えて来ていますね。カメラとインターネットさえあれば、誰でもメディアになり得るという今の社会事情をテーマにした作品。しかも、この二作品共に巨匠といわれる監督が同時期に制作したという点でも興味深いものがあります。
『リダクテッド 真実の価値』はブライアン・デ・パルマによるイラク戦争を舞台にした米軍兵士の狂気を描いたもの。デ・パルマって自分的には『ファントム・オブ・パラダイス』が最高傑作で、最近はめっきり観なくなっていたので随分とお久しぶりな感じです。
本作は、2006年にイラクで起きた米兵による14歳の少女レイプと家族4人惨殺事件を、フェイクドキュメント風にまとめあげたもの。タイトルの”Redacted”とは「編集済みの」という意味で、使われる映像素材は兵士が撮影したビデオ映像, 家族とのTV電話の映像, 監視カメラが捕らえた映像, ビデオ共有サイトにアップされた映像で、それらを継ぎ合わせたという設定の作りです。
彼が本作を通して訴えようとしているのは、いくら既存メディアが事実を隠そうとしても、そんなウソは簡単に暴かれてしまうんだよという事。情報のコントロールの効かなさっぷりを、ヒリヒリするような生々しさで描いています。
もう一方の『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』は、キング・オブ・ゾンビ映画のジョージ・A・ロメロによるこれまたゾンビ映画。彼は良く知られる通り非常にインテリな映画作家で、これまでもゲテモノ映画のようにみせかけて社会性の強いメッセージを作品に込めていました。本作は低予算作品という事もあり非常に安っぽい表現が目立つのですが、メッセージ性は『リダクテッド』に勝るとも劣らない作品です。
街中がゾンビ化している最中に、映画制作をしていた学生のカメラで記録された映像という設定の作品です。モロに『クローバーフィールド』ですね。ゾンビと戦いながら逃げまどいながらもカメラは絶対に手放さずに映像を取り続けます。まずこの設定からして変なんだけど、そういう行動を取ってしまう説明もちゃんとあります。
こちらも『リダクテッド』と同様に、メディアリテラシーの重要性を説いた作品です。でもそれだけではなくて、さらに深い問題についての警鐘を鳴らしてるんですね。それは「カメラというフィルタを通す事で人は傍観者になる」という事。撮影している学生も真実を報道するという使命感は持っているのですが、その異常とも思える撮影への執着は、カメラの後ろにまわる事で現実から切り離された場所に逃げ込んでいるんだという説明ですね。
本作を観て思い出したのは、先日の秋葉原での通り魔事件です。現場に居合わせた野次馬共は携帯カメラでの撮影に留まらずUstreamで中継する輩まで登場した訳ですが、まさにそれじゃないですか。当時この話を聞いた時は、理解不能を通り越して悪寒すら感じたものです。日本はこんな所まで来てしまったのかと。
自分は幸いにも(?)歳を取ってから今のような社会を迎えているので、自分の目で見る事の重要性は経験的に理解していると思います。しかし、デジタルネイティブと呼ばれる世代はどうなのでしょう。もちろん「カメラを通して」は「ネットを通して」に置き換え可能です。
なんだか書いていて空恐ろしくなってきたぞ。嫌な事件が起こらない事を祈りつつ…。
それでは最後にトレーラーをどうぞ。
リダクテッド予告(英語版DVD用)
ダイアリー・オブ・ザ・デッド予告
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By Shin U 2008 年 11 月 16 日 - 23:50
ダイアリー・オブ・ザ・デッドは雨じゃなければこの週末に観に行くつもりでした…
残念。