「ジロ・デ・イタリア 2008 第3週」TV観戦メモ

今年のジロを見れた人はとても幸運な人ですね。こんないいステージレースは滅多に見れるもんじゃありませんから。見逃しちゃった人は残念でした。
2週目も非常にハイレベルな戦いだったのですが、最終週もそれを凌ぐ戦いが繰り広げられました。こんな凄いジロを観たのは初めてです。結局、各賞は先週の予想がピッタリ当たってしまいましたね。最終結果は想定の範囲だけど、そこに至る過程は驚きの連続で非常に濃い観戦体験になりました。
2回目の休息明けの第17ステージはスプリンター向けほぼフラットなステージ。ハイロードのチーム力が爆発しましたね。ミルラムトレインのお株を奪うようなハイロードのトレインが理想的な形で決まりました。カベンディッシュが最終発射台のグライペルに区間優勝をプレゼントしワンツーフィニッシュ。去年大活躍したイグナチェフの大逃げが決まったのも見所でした。
第18ステージは今年と来年の世界選手権が行われる街をつなぐクラッシックハンター向けコース。すなわち世界チャンピオンであるベッティーニが獲るべきステージです。でも残念ながらその期待は叶わず、フォイクトが得意の逃げ切りで優勝。ベッティーニのフォイクトを助けるような行為が裏目に出てしまいました。なんてこったい。
第19ステージはこれまた驚きの展開。前週で総合争いから脱落したと思われたディルーカが渾身のアタック。ディルーカも凄かったけど、なんといってもサヴォルデッリの男引きですよ。ジロを2度制した男がアシストとして身を粉にして働く姿は、涙なしでは観られませんでした。区間優勝したキリエンカが霞んでしまう程すさまじい総合争いでありました。
そして、第20ステージは最後の山岳ステージ。このステージの結果で勝負はほぼ決まります。チマコッピのガヴィアと伝説のモルティローロという2つの難峠が待ち構える恐ろしく過酷なステージです。ここでも驚きの展開が待っていました。昨日のディルーカに代わって逃げたのは、なんとシモーニですよ。その結果ディルーカが脱落していく訳ですが…。そして最後の登りで飛び出したのはまたしてもセッラ!そしてそれに続くシモーニ。毎回先頭でゴールする度に感極まって破顔するセッラの人間臭さがたまりません。彼はこのジロで伝説に殿堂入りしましたね。
僅差で迎えた最終ステージは平坦の個人TT。力からするとコンタドールが首位を守るのは分かってるんだけど、それよりも大変なことになっているのは3位争いです。ブルセギンとペリツォッティが僅差で3位を争っている。二人ともイタリア人なので、ポディウムに上がる事は非常に大きな意味を持ちます。ペリツォッティが非常に良い走りを見せるものの、やはり独走力ではブルセギンに分がありましたね。ロバ耳応援団も大盛り上がり。イタリアTTチャンピオンのピノッティも素晴らしい脚でした。
怒濤の3週間が終わっての感想は、すべての選手が愛おしいという事に尽きますね。若い力の台頭と徐々に勝ちから遠退いていくベテラン選手、だけどタダでは終わらせないというプライド、自らの経験を若い選手に伝える引退間近な選手、モチベーションが成績に及ぼす影響力、秒差が分ける栄光と落胆、観ているだけで凍死しそうな悪天候の山岳、ティフォージの熱狂ぶり、ヴィラッジョの華やかさ等々。本当にすべてが素晴らしかった…。
それと、結局コンチネンタルプロチームが区間9勝ですよ。もうプロツアー制度なんかイラネですね。こんな事になってしまうと、プロチームに大金を払っているスポンサーも馬鹿らしくなっちゃいますよね。これをきっかけに、いろんな事が変わって来そうです。
来年はいよいよ100周年を迎えるジロ。もう一度こんな幸福な時間を分けてもらえることを期待しています。
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