究極のダークファンタジー映画が登場「タクシデルミア ある剥製師の遺言」

タクシデルミア ある剥製師の遺言 / TAXIDERMIA (2006年, ハンガリー=オーストリア=フランス)
監督・脚本 : パールフィ・ジョルジ
出演 : チャバ・ツェネ , ゲルゲイ・トローチャーニ, マルク・ビシュショフ, 他
公式サイト:http://www.espace-sarou.co.jp/taxidermia/
ぶっちゃけド変態映画なので広くお薦めできる作品ではありません。なのですが、溢れ出るイマジネーションがタブーを素通りして完全にネクトレベルにいっちゃってます。刺激に強い方で、映画表現の可能性を見届けたい方には文句なくお薦めであります。
物語は祖父, 父, 息子の三世代に渡って綴られる。祖父モロスコヴァニは第二次大戦中に上官である中尉とその妻、二人の娘しかいない寒村に配置され奴隷のようにこき使われていた。彼は冷たい納屋で毎夜妄想に溺れる事が唯一の慰め。そんな中、中尉の妻との不倫の果てに子供が生まれる。成長し巨漢になった父カルマンは、共産政権下のハンガリーで国を代表する早食い競争の選手になる。父は同じ早食い選手の女性と結婚することになる。生まれた子供は二人とはまるで違う小さな体だった。息子ラヨシュは太って動けず妻にも逃げられた父の面倒をみながら、剝製師として生計を立てている。体の小さなラヨシュは父には毛嫌いされ、想いを寄せるスーパーのレジ係の女性にも相手にされない。孤独を紛らわすためにアートとしての剝製にのめり込み、ついには究極の作品を作り出す。というお話。
とにかく、悪趣味な映像をこれ程まとめて見たのは多分初めてじゃないかな。サンダンス映画祭でNHKの名を冠する賞を獲ったのに、NHKが放映を放棄しちゃったくらいですから。「ブリキの太鼓」とヤン・シュヴァンクマイエルとギャスーパー・ノエとデイヴィッド・リンチとテリー・ギリアムを併せたような作品と言えば分かってもらえるでしょうか。まぁ、相当に特殊な作品ですな。
人間の根っこの部分、すなわち「想像力」「食欲」「永遠の命への欲求」をストレートに描くと、こんなにもグチャグチャでドロドロなものが噴き出してくるという事なのでしょう。それを包み隠さず晒してしまうパールフィ・ジョルジ、あんたは凄いよ。しかもただの悪趣味映画ではなく、しっかりとしたエンターテインメント作品でありアート作品になってしまってる。恐ろしい程の才能であります。
パールフィ・ジョルジの前作「ハックル」も日本公開されたらしのですが、その時は全然知らなくて当然観ていません。ちょっと前まで再上映されていたらしいんだけど、それも知ったのが一足遅かった。8月25日にDVDが発売されるようなので、それまで待ち。まぁ、観られるだけでもラッキーなのかな。おじいさんのしゃっくりが世界をひっくり返すという、そりゃ観るでしょ!的お話のようです。
という事で、上記条件に合う方はトレーラー(英語版)をどうぞ。日本語版は公式サイトをご覧ください。
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