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「TENORI-ON Launch EVENT in Tokyo」に行ってきた

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当選倍率5倍という狭き門を突破して参加することができました。SPIRAL HALLで行われた、YAMAHAの新デバイスTENORI-ONのローンチイベントです。

本来は楽器を中心にしたイベントなのですが、自分はパフォーマーの充実ぶりに惹かれて参加した不埒な輩なのでありました。だって、出演陣のThe BooksもTo Rococo RotもAtom Heart(ソロ名義)も初来日で、しかもタダで観られるとあれば応募しちゃうでしょう。

イベントの内容は、それはそれは素晴らしいものでありました。4時間とかなり長丁場でしたが、全く飽きることもなくむしろ短く感じるくらいでしたね。

TENORI-ONについて

詳しくはプロダクトページを見ていただいた方が良いでしょう。ここでは個人的な所感を少々。

基本コンセプトを作った岩井俊雄については昔からのファンで、オトッキー, びっくりマウス, エレクトロプランクトンといったコンシューマー向けプロダクトには一通り触れてきていました。ゲーム感覚で音楽を作れるソフトは他にもありましたが、音にじかに触れる楽しみを味わえるのは彼の作品だけでした。TENORI-ONに興味を持ったのも彼が関わっていたから。

そして出来上がったものを見て、これまで彼が何年もかけてやってきた事が遂に楽器として結実してしまったなぁ、というのが第一の感想ですね。TENORI-ONが光を放ちながら音を奏でる様はまさに岩井ワールドそのものです。そして、YAMAHAという最高のパートナーを得て作り上げたものの出来が悪いハズがありません。

実は自分は当初勘違いしていたのですが、monomeのようなインタフェースデバイスなんだろうと思っていたのです。だったら自分には関係無いなぁと思ってたのですが、音源を備えた楽器として完結した製品なんですね。しかも簡単なサンプラーも付いてる。ちょっと物欲刺激し過ぎだよアンタ!!というか。121,000円という価格がかろうじて思い留まらせていますが、かなりヤバイです。5月の発売までに気持ちを落ち着かせなければ…。

パフォーマンスについて

そんなTENORI-ONを使って、最先端のミュージシャンがパフォーマンスをするというのが本イベントの趣向。パフォーマーとして選ばれたのが、The Books, To Rococo Rot, Atom Heart, Jim O’Rourkeという相当の曲者達です。それぞれ30-40分の演奏と、岩井俊夫とYAMAHAの開発者による60分のプレゼンテーションという構成。

パフォーマンスは4者4様の使い方で、TENORI-ONのいろんな可能性が示されてて面白かった。プレゼンテーションでのコンセプト説明や操作方法、開発秘話も興味深かったです。

まずはThe BooksのPaul de Jongのソロパフォーマンス。TENORI-ONをリズムボックスにして、チェロを弾くというものでした。もちろん単なるリズムボックスではなく、サンプリングも多用していました。The Booksらしいアコースティックとエレクトロニカの絶妙のブレンド具合が素晴らしいパフォーマンスでした。

お次のTo Rococo Rotは3人編成のバンドサウンドでした。実にドイツ的な荒涼たるエレクトロニカに生ドラムとベースを加えた躍動感のある演奏。しっかりしたリズム隊がいるので、TENORI-ONは上モノとしての使い方でした。

プレゼンを挟んで登場したのがAtom Heart。個人的にはこのイベントのベストパフォーマンスでしたね。今回のために完全に新しく作り込んだ演奏らしく、まさにAtom Heartテイスト全開な音です。ビデオとのシンクロ具合も素晴らしい。途中、Senor Coconutなビデオを流しながら、終わるのを直立不動で待ってるのも笑えた。彼もTENORI-ONは上モノとしての使い方でした。

最後のJim O’RourkeはほぼTENORI-ONオンリーでの演奏。もちろん外部音源は使っているけど、ほとんどTENORI-ONだけで非常に美しいカオスティックな演奏を披露していました。TENORI-ONのデモとしては、彼の演奏がベストだったんじゃないでしょうか。TENORI-ONだけでここまでできるんだというのが見えて興味深かった。あと、ほとんど日本人化しているJim O’Rourkeの腰の低さが笑えた。

TENORI-ONはビジュアル的にも非常に見栄えのする楽器で、操作面の裏側にもLEDが仕込んであって操作側と同じ発光の仕方をするんですよね。なので、手に持って演奏すると非常に見栄えが良いです。岩井さんたちのプレゼンではそうしてましたね。海外遠征でのライブもそうしてたとか。テーブルに置いてタブレット的な使い方をしていたのが、The Books, Jim O’Rourke, Atom Heart。To Rococo Rotは裏側が完全に見えるように立てて演奏していました。

開演前に、ビデオでいろんなミュージシャンに触ってもらってる様子を流していたのですが、今回の出演者以外にもTortoise, Four Tet, Mouse on Mars, Battles, Pastelsなんかも楽しそうにいじっていました。どテクノなミュージシャンではなく、ちょっと外れた人選がいいセンスです。

誰のための楽器?

最後に、このTENORI-ONは誰のための楽器なのかという点。

まずは、コンセプト通りに楽器や楽譜が苦手な音楽好き。音楽やりたいけど楽器が苦手で尻込みしてる人たち。きっとここがボリュームゾーンなのでしょう。自分もここに位置します。TENORI-ONを一度見てしまうと、これなら出来る!!と胸がときめくこと間違いなしです。

あとは、すでに音楽をやってて面白い電子楽器を導入したいと思っている人たち。例えば、今回のThe Booksのようなアコースティック楽器を中心にエレクトロニカな味付けをするとか。最近流行のスタイルですね。

逆に楽器を沢山持ってる人には必要なさそうです。多分TENORI-ONを導入したからといって、何かあたらしい事ができるという事はないでしょう。手持ちの機材で同じ事ができちゃう。あるとしたら、ライブパフォーマンスを見栄えの良いものにするというくらいかな。もちろんこれもTENORI-ONのコンセプトの一つなので全然OKでしょう。

 

という事で、写真も何もなしで長々と書いてしまいましたが、なかなか可能性を感じさせる楽器であることは確かです。

明日、26日から渋谷タワーレコードにプレイアブル展示されるようなので、気になった方は足を運ばれると良いと思います。同じ26日の渋谷タワーレコードでは、Atom Heart, The Books, To Rococo Rotのインストアライブが行われます。チケットが必要ですが、「オトナノカガクおんがく」キャンペーン対象CDを2枚購入すれば先着でもらえます。

翌日、27日はSPIRAL HALLの地下にあるレストランCAYで、Atom Heart, Paul de Jong, 黒川良一, DE DE MOUSEのライブがあります。こちらは当日5,000円。

とにかく、Atom Heartはヤバイから観とけ!! というのが今回のまとめですw。最後にTENORI-ONのデモビデオをどうぞ。


  • 自分は鍵盤弾きなんですが。
    こういうコントローラは大好きです。
    普通に鍵盤を弾いて生まれてくる旋律なんていうのは、大した才能もないボクだと似たようなフレーズばかりしか生まれてこない。
    新しい楽器やコントローラは「思いもつかなかった」旋律やフレーズが生まれるんですねぇ、これが最大の楽しみです。

  • なるほど、道具が変われば表現が変わるというのはありますね。
    実際に試してレポしてくださいw。

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