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元祖引きこもりロリコン男の驚きの人生「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」

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非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎 / In The Realms of The Unreal: The Mystery of Henry Darger
脚本・監督・制作:ジェシカ・ユー
声:ダコタ・ファニング, ラリー・パイン
公式サイト:http://www.henry-darger.com/

ヘンリー・ダーガーの作品は断片的に目にはしていましたが、こんな風にまとめて見るのはこれが初めてです。これが美術の教育すら受けていない人物の作品なのかと、目を疑うような美しさと倒錯っぷり。人間の想像力の果てしなさを垣間見てしまいました。

本作は引きこもりさんにこそ観てもらいたい作品ですね。彼等の先輩の想像を絶するクリエイティビティは必見であります。

家族も友人もいない自宅と職場を往復するだけの貧しく孤独な男ヘンリー・ダーガーは、19歳の時から生涯をかけた創作に人知れず取り組んできた。年老いた彼が養護施設に入った後に発見されたその創作物は、15,000ページを超える小説と数百枚の挿絵という驚くべきものであった。「非現実の王国」と題されたおそらく世界最長の小説は、ペニスをぶら下げた少女ヴィヴィアン・ガールズが子供奴隷を救う壮絶な戦いの物語であった。ベールに包まれたダーガーの生涯が今解き明かされる。という内容。

ダーガーの人生と彼の描く物語をカットアップしたような展開は斬新で面白かったし、作品のアニメ化も丁寧な作りで好感が持てるものでした。少なくとも作品を冒涜しているような印象は全くなくて一安心。ただ、本人が一度も明かすことの無かった妄想の世界を、こうして世に晒す事は本人的にはどうなんだろうと思ってしまいます。自分だったら耐えられたかと聞かれると、ちょっと疑問。草葉の陰で怒りに震えていない事を祈りたいものです。

彼の生きた時代は今から100年も前のことなので、引きこもってしまう事イコールすべての情報や経験から遮断されてしまう事だったんでしょうね。彼のユニークさも世間からの隔絶に由来するものが大きいのでしょう。そして、あらん限りの想像力と寝る間も惜しむ創作活動の末に、こんなにも緻密かつ異形な世界が産み出されてしまった。そういう意味では、今後ここまで特異な表現が生まれる事はないような気がしますね。今の引きこもりは単にぬるいだけだから。

本作を観て思い出したのは、ダニエル・ジョンストンの半生を描いたドキュメンタリー映画「悪魔とダニエル・ジョンストン」です。彼は今も存命中ですが、その膨大な自分アーカイブはヘンリー・ダーガーに迫るものがあります。ほとんどライフログのように記録されたイラストや詞や録音がとにかく多く、映画の素材には困らなかっただろうけど、目を通すのは大変だっただろうなと。まかり間違えばビートルズを超えていただろうと言われる程の才能の持ち主なのに、数々の不遇により辛い人生を歩むことになった彼と、ダーガーに共通する点は多そうです。

そして、彼等のように一つの事に生涯をかけて打ち込むには、現代はなんてノイズが多いんだろうと思わざるを得ません。情報の多さがマイナスに働く一例かと。

と、もう2ヶ月もニート状態の中年男が申しております。ではトレーラーをどうぞ。

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日時: 2008年03月31日(月) 23:04

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