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映画における新しい表現法の発見「潜水服は蝶の夢を見る」

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2007年, フランス・アメリカ
監督:ジュリアン・シュナーベル
原作:ジャン・ドミニク=ボビー
脚本:ロナルド・ハーウッド
出演:マチュー・アマルリック, マニュエル・セニエ, マリ=ジョゼ・クローズ, アンヌ・コンシニ, 他
公式サイト

2007年カンヌで監督賞を獲り、アカデミー賞にも監督賞を含む4部門にノミネートされている、実話を映画化した作品です。前評判も非常に高く各所で絶賛されていますが、確かに今年これを観ずに他に何を観るかってくらいの大傑作でした。

雑誌ELLEの名編集長ジャン=ドミニク・ボビーは、42歳の冬の日、脳出血で倒れ全身の自由を奪われてしまう。脳幹が破壊されることで発症する「閉じ込め症候群(locked in syndrome)」という症状で、知覚と思考は正常なのに体を動かすことができない。言語療法士のサポートにより、唯一自由が利く左眼を使ったコミュニケーション法を習得し、20万回のまばたきで一冊の本を書き上げる。その美しい言葉で満たされた本は、彼が生きた証である記憶と想像力をフル稼働して綴った生への賛歌であった。というお話です。

この映画の事を知ってすぐに原作本を読んだのですが、そんな悲惨な状況に置かれているとは思えないくらい、明るく生き生きとした文章である事に驚かされました。そして、フランス人らしい軽やかでユーモアに富んだ語り口にも感心させられます。病院での暮らし、少年時代の思い出、見舞いに来た家族や友人との語らい、愛してやまないソーセージ、聖地ルルドへの旅行、そして自分が倒れたあの日の事...。もう治らない事を理解してしまった後にこんな文を書けるなんて、並大抵の精神力じゃありません。何というか、体の自由を奪われる事で、より純化された人間性の塊が自動筆記させたようなエネルギーに満ちています。

そんなパワーを持った原作が、ジュリアン・シュナーベルの見事な映像表現により圧倒的な映画に生まれ変わりました。

映画は、主人公のジャン・ドーが3ヶ月の昏睡状態から目覚めたところから始まります。映像の焦点が定まらず露出が狂ったような映像がしばらく続きます。医者や看護師がカメラの奥をのぞき込んでいます。これは、ジャン・ドーが唯一使える左眼が彼の脳内に映し出す映像。そう、この映画は彼の左眼を通して描かれるのです。彼がまばたきをすれば画面も暗くなるし、涙を流せば画面もぼやけます。

登場人物の視線で描く映画は特に珍しくもないのですが、視神経が脳に伝えるだろう映像をそのままフィルムに焼き付けたような映像表現を見るのはこれが初めてです。この表現法により、観客はジャン・ドーと同様に動かない体の中に閉じ込められた状態になってしまうのです。これには本当に驚きました。長く観ていると本当に自分の体まで硬直してしまい、動くことを確認して安心するという変わった体験をすることが出来ます。

映画の表現手法はもう出尽くしてて、それを拡大再生産するしかないんだろうと思っていたのに、こんなに斬新な表現が残されてたとは嬉しい限りです。まだまだ可能性はあります。CGに頼ってばかりじゃ駄目ですな。

当初、ジャン・ドー役にジョニー・デップが予定されていたらしいのですが、例の海賊映画の方を選んじゃったとか。馬鹿だなぁw。あと、女性キャストが全員美人ってのが嘘っぽかったりするけど、男としては歓迎なのでOK。

これ、アカデミー賞獲っちゃうんじゃないでしょうか。撮影賞は確実で、もしかしたら監督賞も。実はジュリアン・シュナーベルの作品「バスキア」「夜になるまえに」は不覚にもどちらも観てないのですが、これはちょっと要チェックですね。

それと、公式サイトに入るといきなり「おすぎです」のTVスポットが始まるので要注意ですw。では、通常の劇場予告をご覧ください。

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バスキア
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日時: 2008年02月14日(木) 18:11

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コメント: 映画における新しい表現法の発見「潜水服は蝶の夢を見る」

こんちわ。
ほんと趣味が似てますね…
この映画はなかなか鋭そうです、観たくて仕方ありません。

投稿者 Shin U | 2008年02月16日(土) 08:17

映画は観たい時に観るのがベストです。
超お薦めなので、お早めにどうぞ。

投稿者 tnk | 2008年02月16日(土) 09:41

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