遂にすべてを手に入れる時が来た「ツイン・ピークス ゴールド・ボックス」

圧巻の10枚組BOXセットDVDであります。
自分が持ってるDVD BOXは、これまで「ブルー・プラネット」が最大の9枚組だったのですが、その記録を更新してしまいました。
これでツイン・ピークスの全話がDVDで揃ったという事で、ファンとしては素直に喜びたいところですが、今回の販売方法はあまり感心できない点もあったりします。
以下、かなりの長文です。
2002年に1stシーズンのBOXセットが発売された時に2ndシーズンのリリースもアナウンスされていたのですが、その約束は果たされることはありませんでした。
その5年後、そんな事はまるでなかったかのように、フルセットのBOXと1stと2ndの2セットのBOXが発売されました。
これでは、2ndシーズンのリリースをずっと待ってた人は頭に来て当然でしょう。
放映当時、ABCの保守的な幹部から冷遇された挙げ句、徐々にパワーを失ってしまったツイン・ピークスという作品そのものを見ているようです。
作る側、売る側が作品を愛せなくてどうすんだ、と言いたいですね。
ともあれ、大量の特典映像とリマスターされた映像がついに手に入った訳です。ならば、寄って集って作品を愛してあげるのが、ファンの努めでしょう。
という事で、このDVDボックスセットの中身をみてみましょう。
ドラマのエピソードについては語り尽くされてるので、触れなくていいですよね。必要なら、ウィキペディアでも読んでください。
まず、パッケージの形態から。
いくら豪華ボックスだからといって、ここまでゴールドだらけにする事はないだろうってくらいに金ピカです。ブックレットとポストカード以外は全部ゴールド。
ツイン・ピークスのファンを理解しているとは言い難いパッケージングですな。
ブックレットの中身は、字幕がない特典映像の対訳になってます。
1つは、全76枚組のTrading Cardの対訳。もう1つは、8本の電話メッセージ集の対訳。
どちらもDVD上では埋め草的内容なので、特にコメントはなし。
あと、エピソード内の映像を収めたポストカードが12枚入ってます。
全部で61種類あるようで、DVDの公式サイトですべてを見ることができます。
また、応募特典でゴールドポストカードが当たるとか。15名にはリンチ直筆サイン入りのカードが当たるようです。応募締め切りは12/15までなので、欲しい人は急いだ方がいいでしょう。
自分のセットには、「警察官の夢だね」のシーンとシェリーが2枚はいってたのがちょっと嬉しい。

お次は映像特典の話。
こちらは興味深い映像が結構沢山入っていますよ。主要なモノだけピックアップします。
パイロット(序章)は、オリジナル版とインターナショナル版の両方が入っています。
後者はパイロット版にエンディングを加えた1話完結バージョンです。といっても、特別なシーンが入っている訳ではなく、後のエピソードで出てくるシーンを貼り合わせたものなので、特に新鮮さはありません。
まぁ、知識として知っておくのは良いでしょう。
また、すべてのエピソードの前に、丸太おばさんの語りによるイントロが入っています。これはちょっと素敵。

「チェリーパイを食べながら:デイヴィッド・リンチとキャストらの語らい (A Slice of Lynch)」と題された映像は、今回収録された映像の中で唯一リンチが出演しているものです。
クーパー役のカイル・マクラクラン、シェリー役のメッチェン・アミック、撮影アシスタントのジョン・ウェントワース、そしてリンチが同窓会的会話を楽しんでいます。
作品誕生の背景、キャスティングでのエピソード、撮影秘話、等々。
ここでリンチ本人が強調しているのは、ローラ殺しの真犯人は明かすべきではなかった、という事です。圧力に負け謎を明かしたために、視聴者は興味を失い、あんな形でシリーズを終わらせてしまう事になってしまったと。
「美しいガチョウが黄金の卵を抱いているのに、わざわざガチョウを殺すなんて馬鹿げてる。途方もなく悲しいことだ。あれほど悲しく愚かな行為はなかった。」
あの頃は自分も尻の青い小僧で、謎を解くことが重要な事と思いこんでいたのですが、今ならリンチが言ってる事がとてもよく分かります。
誰が作っても同じような無個性な作品ばかり、一様な解釈しか許されない下らない作品で溢れる昨今、こういう精神が引き継がれていくことを切に望みます。

「アナザー・ワールドの秘密 (Secrets from Another Place: Creating Twin Peaks)」
いわゆるメイキングで、よくあるスタッフと出演者へのインタビューです。
パイロット、1st シーズン、音楽、2ndシーズンをテーマにした4編が収録されています。
パイロットがどれだけ完璧で美しい作品だったか、そして1stシーズンのとんでもない熱狂、2ndシーズンで手のひらを返したように人気が衰え終了してしまうエピソードが語られます。
TVドラマの在り方を根底から覆してしまったとも言われる作品が、どのように生まれ殺されていったか、そして何を残したのかが興味深く語られています。
音楽のメイキングには、アンジェロ・バダラメンティとジュリー・クルーズが登場します。
これはなかなか見応えのある映像で、メインテーマをリンチと共作した場面が克明に再現されています。それはただただ感動的。
個人的には、丸太おばさん役のキャサリン・E・コールソンの雄弁ぶりに一番驚きました。

そして、ずっと観たかった「サタデー・ナイト・ライブ」の映像が収録されてるのは非常に嬉しいですね。
カイルが務めるオープニングと、SNLのメンバーによるパロディ劇の二本が入っています。これは理屈なしに笑える必見映像であります。

「ツイン・ピークス・フェスティバル」は、今でも行われている同名イベントの2006年開催の模様です。
ツイン・ピークス・フェスティバルは、作品のロケ地を訪ねる長い歴史を持つファン・イベントです。トリビア・クイズやキャストのそっくりさんコンテスト、チベット式演繹法大会等、コアなファンにはたまらないイベントのようです。
ルーシー役のキミー・ロバートソン等の出演者もゲスト参加し、非常に盛り上がってます。参加者はみんなオタクでサエない奴らばかりだけど、すごく楽しそうです。
かつて、フジテレビのカルトQというクイズ番組でデイヴィッド・リンチがテーマになった時、予選に挑み惨敗した苦い思い出が蘇ってきました。

日本で放送された、ジョージアのTVCMも全パターン収録されてます。
当時は断片的にしか見てなかったんだけど、ドラマ仕立になっているものを通して見るのはこれが初めてです。
まぁ、たわいもない話なんだけどね。

なんだか、ずいぶんと長文になってしまいましたが、思い入れのある作品なのでお許しくだされ。
まだエピソードは全部観終えてないのですが、おかげで楽しい年末年始を過ごせそうです。
では最後に、ジュリー・クリーズが歌うテーマソング”Falling”をお聴きください。
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