アイスランドの自然に育まれた神々しさ「Heima / Sigur Rós」

今や世界的な成功を収めたSigur Rósが、結成10年目の節目に制作したドキュメンタリーフィルムがDVDリリースされました。
2005年のワールドツアーの翌年、故郷のアイスランドを2週間かけてツアーした様子を収めたものです。97分と158分のDVD2枚組で、非常に見応えのあるボリュームになっています。
監督はディズニー・アニメ「リロ・アンド・スティッチ」を手掛けたカナダ人のディーン・デュボア。彼はバンドの辿った土地の映像を後から追加撮影し、巧みな編集により究極に美しい映像作品を作り上げています。
彼らの奏でる音楽が何故こんなにも神々しいのかが、これを観れば理解できるのではないでしょうか。
自分は、人間を寄せ付けない程の圧倒的な自然の中に響く彼らのサウンドを聴き、音楽の持つ力を信じずにはいられませんでした。そして、何度も涙してしまいました。
このアイスランドツアーは良くある凱旋ツアーとは異なり、地方の町をほとんど告知無しで演奏して廻るという、とても彼ららしいスタイルで行われました。もちろん全公演入場無料。
小さな町での演奏場所は町の公民館や野原で、中には閉鎖された鰊(にしん)工場の魚油タンクの中での演奏もあったりします。
なので、観客が全くいない野原で演奏することもあるし、町の全住民が集まる宴会場のような場所での演奏もあります。観客の中には、ロックバンドのライブを初めて観るような年配から小さな子供までいて、かなり趣の異なるライブ風景を目にすることが出来ます。
はじめて観るバンドの演奏に注がれる眼差しはどれも真剣で、音楽大国アイスランドの国民性を垣間見れたような気がします。
バンドメンバーやスタッフへのインタビューもふんだんに収録されているのですが、普段はインタビューに応じない彼らが、故郷の空気の中でリラックスしている様子がうかがえます。
そして、彼らの言葉からは、いわゆる成功したロックバンドとは対極のポジションにいる事が、決して作られたものではなくあるがままの姿だという事が良く判ります。本当に音楽が好きで、それに心血を注ぐ純朴な青年の姿です。
彼らの音楽が魅力的であり続ける理由も、そこからくるのでしょう。
自分は見逃したのですが、Sigur RósやBjörkをはじめとするアイスランドの音楽シーンを収めたドキュメンタリー映画「スクリーミング・マスターピース」も絶対に観るべき作品のように思えてきました。DVD化は未定のようですが、早いとこ発売してして欲しいものです。もしくは、東京での再上映を希望します。
同時期に発売された2枚組CD “Hvarf / Heim”
には、本作のライブ音源も収められています。未発表曲も入っているので、こちらも要チェックです。
それでは、荘厳なアイスランドの自然に圧倒されるトレーラー2本をご覧ください。
“Heima” Trailer
“Heima” Trailer (Hoppipolla Version)
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