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引き裂かれた末裔たちはどこに向かうのか「バベル」

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「バベル / BABEL」
2006年, アメリカ
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演:ブラッド・ピット, ケイト・ブランシェット, ガエル・ガルシア・ベルナル, 役所広司, 菊池凜子, 他
公式サイト

あまりにも強烈だったデビュー作「アモーレス・ペロス」の衝撃が、さらにスケールアップして帰ってきました。
前作「21グラム」がメジャーなキャストと引き替えにこぢんまりした作品になってしまってたため、この3作目に期待していたのですが、見事に期待に応えてくれました。
ありがとうアレハンドロ。本当に嬉しいよ。

コミュニケーション不全が世界の至る所で悲劇を生んでいる。不思議なことに、夫婦、親子、兄弟、といった身近な間柄になる程に断絶は大きくなる。
その一方で、遠く離れたところでもほんの小さなきっかけが人々を結びつけている。
この断絶と繋がりの二重構造を、旧約聖書のバベルの末裔になぞらえて描いた群像劇です。

「アモーレス・ペロス」は同じ街で同時に起こる複数の出来事を描いたものでしたが、本作は国も言語も人種も異なる物語がダイナミックに絡み合いながら展開していきます。
冒頭に書いた "スケールアップ” の意味は、舞台が世界規模になった事だけではなく、それぞれの悲劇的な物語は国際紛争や民族紛争の縮図としても描かれているという事です。

この見事な脚本を手がけたギジェルモ・アリアガは「アモーレス・ペロス」「21グラム」に続き3度目のタッグになります。
2005年のトミー・リー・ジョーンズの「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」ではカンヌで最優秀脚本賞を獲っていますね。気になりつつも観逃してしまいましたが、猛烈に観たくなりました。

そんな優れた作品なのですが、不幸な事に日本では作品の本質とは別なところで話題になってしまいました。
もちろん、菊池凜子は心を閉ざした聾の女子高生になりきってて、アカデミー賞ノミネートにふさわしい演技でした。日本にもこんな女優がいたのかと驚いた。
ただ、こんな形で話題になってしまうと、観客の質が著しく低下してしまうんですよね。フィルムとスクリーンで観たいのはやまやまですが、不快な思いはしたくないのでDVD発売を待つことにしたのでした。

あと、ストーリーとは関係なく、技術屋視点で気がついた事。
聾の少女たちが携帯テレビ電話をとても有効に活用していましたね。手話は見えないと通じないという当たり前の事ですが、これは目から鱗でした。

しかし、「ダック・シーズン」のレビューでも書きましたが、メキシコって才能ある映画人を輩出してますな。
次回作が待ち遠しい。


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バベル プレミアムエディション
バベル プレミアムエディション

日時: 2007年11月17日(土) 23:52

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