リンチの脳内ダンジョン「インランド・エンパイア」

「インランド・エンパイア」
2006年, アメリカ
監督・脚本:デヴィッド・リンチ
出演:ローラ・ダーン, ジェレミー・アイアンズ, ジャスティン・セロー, 他
公式サイト
予定通り初日初回を観ようと恵比寿ガーデンシネマに行ったのですが、出遅れたうえにひどく混んでて初回には入れませんでした。長時間モノはこういう時が大変です。4時間待って2回目を観賞することに。
内容は期待通りのリンチワールド全開で、高純度の狂気に満ちたものでありました。頭のいかれたオッサンの頭の中を覗いてるような映像とでも言えばいいのでしょうか。これまでの彼の作品で、最も自由度の高く最も難解な作品になってます。
シナリオを作らず、思いついた時に、ノーギャラの俳優を集めて、4年間かけて撮影し、1本の映画にまとめるという制作スタイルが自分の性に合ってたようですね。ホントに自由過ぎ。米の映画会社に全く相手にされなかったというのも頷けます。
脈略の無い各シーンは部屋と部屋をつなぐ廊下でつながってて、その構造はまさにダンジョンのようです。しかもそのダンジョンは時間経過とともに構成を変えていく、トルネコの冒険や風来のシレン的なダンジョン(古くはrogueとかも)。それに加え、各シーンで共通に使われるいくつかのキーワードがさらに複雑な繋がりを作り、難解さの強度を増していきます。
でもって、各シーンは最後まで絡み合う事の無いまま、勝手に物語が進行したり全く進行しなかったりしながらラストに突き進んでいきます。
こんな目茶苦茶な映画はこれまでお目にかかったことはないですよ。多分、リンチ本人にも説明のつかない作品のはずです。「んー、なんかね、作ってたらこんなんなっちゃたんだよね。」とか言うに違いありません。
そういう意味だと、全く観る意味のない作品と言えますし、酔狂な人間にとってはこれ以上の娯楽はないだろいうと言える作品でもあります。
狂ったオッサンの脳内探検に付き合う気のある人だけにオススメできる作品であります。
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