「ボラット」はただのおバカ映画じゃないぞ

「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」
2006年, アメリカ
監督:ラリー・チャールズ
脚本:サシャ・バロン・コーエン
出演:サシャ・バロン・コーエン, ケン・ダヴィティアン, 他
公式サイト
その内容のヤバさ故に日本での公開が危ぶまれた作品ですが、無事に公開され観る事ができました。もちろん、最高の出来でございました。
カザフスタン国営TV局のレポーターであるボラットが、アメリカ文化をカザフスタンに伝えるために渡米しTV番組を制作する模様を描いた作品。
というのは大嘘で、ボラットはユダヤ系イギリス人でカザフスタンも無関係。文化差を利用して無邪気に差別的言動を繰り出し、アメリカ人の抑圧された差別意識をさらけ出していきます。
その差別の対象はユダヤ人, 黒人, ゲイ, 身障者, 女性で、その内容はあまりに酷過ぎてここではちょっと書けません。
町山智浩さんのPodcast「アメリカ映画特電」の第7回を聴いみてください。もしくは、公式サイトの予告編とか。
自分がこの作品を高く評価する理由は、危険と隣り合わせの本物のコメディを命懸けでやってるから。
社会の一番ヤバイ/アブナイ/痛いトコロに突っ込んでいくのがコメディの神髄であり、それを笑い飛ばせる余裕こそが社会や個人の成熟度に繋がるものだと信じているからです。
タブーを隠したり無意味に目くじらをたてたりする社会では、その余裕のなさ故に言論統制やマイノリティへの無理解が生まれる訳で、今の日本のアジア外交がその最たるものでしょう。
モンティ・パイソンのようなヤバイ作品を国営放送で流す国と比べると、どちらがマイノリティに寛容で弱者にも優しい社会なのかは明らかですよね。
TV局に飼い馴らされたお笑い芸人で満足してる方にこそ、こういった本物のコメディで大爆笑いしてもらいたいものです。芸人は正座して観賞すべし。
字幕の入れ方があまり良くなく見辛いようなので、視力に自信のない方は座席に注意しましょう。そんなに難しくない英語なので、それなりに解ってしまいますが。
自分はDVD購入決定です。特典映像も多めにお願いします。TV番組も放映してるようですが、そちらも発売してくれると嬉しいなぁ。




