Joost インプレッション

約1ヶ月半前にサインアップしたJoostからやっとインビテーションが届きました。ざっと試してみたのでファーストイプレを書いておきます。
スクリーンショットを多めに載せているので少々重いですが、操作性の素晴らしさが少しでも伝わればと思います。
概要
Joostは、SkypeとKazaaの創業者であるJanus Friis氏とNiklas Zennstrom氏が興したPC向け無料オンラインビデオサービスです。「じゅーすと」と読むようです。P2Pテクノロジーのキーマンによる新サービスという事で注目度が非常に高く、コンテンツフォルダの動きも活性化しています。Viacomとの提携も記憶に新しいところですね。
現状はコンテンツフォルダが提供する著作権がクリアになっているものだけを扱うサービスですが、将来的にはユーザ投稿ビデオも扱う計画はあるようです。そこまでできるようになれば、巷で囁かれる”YouTube Killer”も現実味が増してきます。
サービス内容/操作性
Joostを使うには招待が必要になります。既存ユーザから招待してもらう方法とJoostに申し込む方法があります。自分の場合は、Joostに3/7にサインアップして招待メールが届いたのは4/17でした。招待メールが届くまでの間に一度、”Joost around the corner”というタイトルで「忘れてないからもうちょっと待ってね」という内容のフォローメールが届いています。
招待メールにはワンタイムURLが入ってて、そこにアクセスして専用クライアントをダウンロードします。Windows版だけではなくMacOS版もちゃんと用意されています。さすが分かってらっしゃる。現状はまだベータ版なので、ここで書く事も現時点のスナップショットです。
最初に会社のWIndowsで試してみたのですが、クライアントアプリがProxyに対応してなくて使う事ができませんでした。なので、今回試したのはMacOS版になります。マシンはMacPro(2.66GHz Quad)でネットワークは実効約2MbpsのADSLです。
また、現状はクライアントはWindows XP, Vista, MacOS X(Intel)のみで、Linux, MacOS X(PPC)は開発中のようです。
(1) アカウント作成/ログイン
最初にアクセスする時はアカウントがありませんので、新規にアカウントを作成します。登録する情報は、Email address, Joost Name, Passwordの3つです。Joost Nameは6文字以上の任意の英数字で、多分重複チェックがかかると思われますが、自分は一発でパスしました。
こんなふうに必要以上の情報を求めない所はいいですね。オプションで入力する欄を設けるサービスが良くありますが、早く使い始めたい人間が必須でもない項目に入力する訳がありませんよね。
ログインしてサーバに接続すると、自動でビデオ再生がはじまります。初回はJoostのお薦めビデオが再生されますが、前回途中で停止したビデオがあればその続きかから再生されます。2回目以降はログイン操作は省略できます。
(2) ビデオコントロール
画面上でマウスを動かすと、ビデオコントローラと各種メニューボタンが表示されます。
| 表示位置 | メニュー名 | 機能 |
|---|---|---|
| 下 | Controller | ビデオコントロール, 音量, チャンネル選択, プログラム選択, 検索, 画面拡大/縮小, ヘルプ, 終了 |
| 左 | My Channels | チャンネルカタログ, 自分のチャンネルリスト |
| 右 | My Joost | ウィジェット表示, ウィジェットメニュー |
| 上 | Program’s Extra Features | 番組の特別メニュー |
Controllerでは一般的なビデオ操作に加えて、チャンネル/番組の選択が可能です。チャンネル/番組の名前だけではなく、簡単な説明を表示しながら選択できますので不便はなさそうです。
この操作をビデオを停止することなくオンスクリーンで行えるというのがポイントですね。ビデオにかぶっちゃダメでしょと思われるかもしれませんが、もう他の番組を観ようとしてるんだから問題あるはずはありません。この操作はちょっと新鮮でした。
画面サイズはフルサイズと通常画面を選択できますが、通常画面は無段階にサイズ選択することができます。もちろんビデオ部分のアスペクト比は固定で。
Program’s Extra Featureメニューは、再生中の番組にちょっとしたバナーを表示するのに使うようです。バナー内での若干の画面遷移はできるので、関連番組とかを表示している例が多いようです。ここから別のビデオを再生したりはできませんでした。全般的にどの番組もうまく活用できていない感じです。
(3) チャンネル/番組選択
説明が後になりましたが、すべてのビデオは番組(Program)と呼ばれ、いずれかのチャンネル(Channels)に属しています。テレビのメタファーなので直感的に理解しやすいのですが、テレビのようなライブ放送ではなくすべての番組はVODでの提供になります。
画面左のMy Channelsメニューを選ぶとMy Channels一覧が表示されます。これもオンスクリーンに半透明で表示されます。My Channelsは好みの番組を登録しておくブックマークのようなもので、ここに登録しておく事で簡単な操作で呼び出せるようになります。各チャンネルにはチャンネル再生/情報表示/番組リストボタンが付いています。番組リストボタンを選ぶと、そのチャンネル内の番組一覧画面に遷移します。
番組一覧画面は、ControllerのProgramListボタンから呼び出すこともできます。
左下のChannel Catalogボタンを選択すると、Joostが提供するすべての番組メニューを表示することができます。チャンネルはジャンル毎に階層化されていて、目的のチャンネルを選択すると詳細画面が表示されますので、Add Channelボタンを選択してMy Channelsに登録します。すでに登録済みのチャンネルの場合はAdd Channelボタンの代わりにRemoveボタンが表示されますので、それを選択すればMy Channelsから取り除くことができます。
(4) カスタマイズ
My Channels以外のカスタマイズ要素として、画面上にウィジェットを配置することができるようになっています。現状用意されているのは以下の5つ。
| ウィジェット名 | 機能 |
|---|---|
| News Ticker | RSSリーダ |
| Instant Messaging | Joostユーザ間IM? |
| Channel Chat | 同じ番組を観てる人とチャット |
| Clock | アナログ時計 |
| Invite Firends | インビテーションを送信 |
| Rate It | 5つ星で評価 |
| Notice Board | Joostからのメッセージ |
| Advanced Settings | ビデオ表示オプション |
各ウィジェットは他と同様にオンスクリーンで任意の位置に表示することができます。右上のボタンですべて消すこともできますし、ピンを立てることで消えないように固定することもできます。
Instant Messagingは動かなかったのですが、Joostユーザ間でのメッセンジャーでしょうか。
Advanced Settingsでは、起動時にフルスクリーンにするか否か, 年齢制限のあるコンテンツで何歳以上のものを表示可とするか、ビデオ表示時にpin番号を要求するか否か, pin番号を設定することができます。いわゆるペアレンタルロック機能ですね。
ざっと説明してきましたが、YouTubeに一通り操作している画面キャプチャのビデオがあったので貼っておきます。フレームレートが低くてカクカクしてますが、実際にはもっとスムーズに動きます。
まとめ
現状はまだ”Walled Garden”的なサービスという事で、その成否はユーザエクスペリエンスにかかっているわけですが、ベータ版としては異常過ぎるくらいの完成度です。
まず、再生中のビデオを止めずに操作する事へのこだわりが抜群の操作性をもたらしてますね。一般的なビデオ操作はもちろん、チャンネル/番組変更も無理なく行う事が可能です。ビデオを停止して一覧画面に戻るという良くある操作を無くすことで、ここまで使い勝手が良くなるのには正直驚きました。各操作に割り当てられたキーボードショートカットも直感的です。
最近流行りのダラ観ができるのもいいですね。次に何が再生されるのかを少し前に表示するのも小技だけど非常に効果的です。
専用のMacMiniを用意してTVに繋げば…等とついつい不埒な事を考えてしまいます。AppleTVでJoostを動かすハックも存在するようですが、そうしたくなる気持ちも良く分かりますね。
ビデオの品質はSDながら全く破綻する事もなく非常に良好でした。どこにP2P技術が使われているのか定かではありませんが、効果を発揮しているという事でしょうか。
再生を中断している間でもADSLモデムのランプが点滅しているのを見ると、クライアントアプリを動かしているマシンがピアになっている可能性が高いですね。ライブラリフォルダ配下にcache, cert, key, localstore, shared等の文字列を含むファイルが見受けられます。cacheの付いたファイルは530MBと結構なサイズになっています。
コーデックやDRMまわりの事はちょっと分かりません。
ブラウザベースではなく専用クライアントを使うという選択はある意味賭けでもある訳ですが、ここまでのクオリティを実現できるのであれば成功の可能性は高いでしょう。あとは、インストールの動機付けになるキラーコンテンツの提供と、どこまでタイムラグなくプラットフォームを広げていけるかでしょうね。
これまでは、何でもかんでもWebベースにすればとりあえず及第点をもらえるという常識があったと思うのですが、このJoostやAppleTVのように専用アプリで高い操作性を実現したサービスを目の当たりにすると、その常識はもう古いものなんだなという事に気付かされます。適材適所はもちろんいいのですが、本当にそれが「おもてなし」に直結するものなのか、作る側の都合で選択しているのではないのかという事を真剣に考えれば、そんな常識も力を失ってしまうのかもしれません。
自分では評価できないのがコンテンツの揃い具合です。英語圏のものなので、用意されているコンテンツがどんな具合なのかが良く分かりません。ちょっと前まではナショナル・ジオグラフィックが観れたそうなのですが、今はなくなっていますね。XL Recordingsのコンテンツもチャンネルは残っているものの番組が消えてます。メジャーどころではViacom傘下のMTV関係くらいですかね。
コンテンツはまだこれからというところなのでしょう。ベータ版としては充実しているとは思いますが。
日本のこの分野はおかしな力学のおかげで完全においてきぼりをくらってる状況ですが、力のある外資系がJoostに日本語字幕付きコンテンツを提供し始めたりすると面白い事になりそうなのですね。そもそも国内のテレビコンテンツなんてほとんど観る価値のないものばかりなので、そうなってくれることを強く望む訳ですが。とまぁ、国内のテレビ局には全く期待していない自分に今さらながら気付いたりして。
最後にJoostのCFを貼っておきます。なんとなく志の高さが伝わってくる良いCFですね。
おまけ
さて、Joostを試してみたいので招待して欲しいという方がいらっしゃいましたら、当方までコンタクトしてみてください。招待するには氏名とメールアドレスが必要なので書き添えるのを忘れずに。
ただ、招待できる人数やすぐに使えるようになるのかが全然分からないので、期待は禁物です。もしかしたら、Joostに直接申し込んだ方が確実かもしれませんので。
【2007.04.23更新】
ベータテスターの募集はすでに終了しているようです。その関係なのでしょう、良く確認してみると自分の招待可能数もゼロになっていました。これから試すには正式版のサービスインまで待たないとダメみたいですね。
【2007.04.28更新】
Joostからインビテーション権をいただきました。「Joostにご招待」を参照ください。
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