日本の自転車泥棒
「日本の自転車泥棒」
2006年, 日本
監督:高橋忠和
出演:杉本哲太, 高橋志穂, 伊藤久美子, 鈴木将記, 鈴康寛, 他
本当は別のを観に行ったんだけど混雑で入れず、こっちにしました。渋谷のシネマ・アンジェリカにて。
脚を痛めて引退した元競輪選手が、岩手から東京まで自転車を盗みながら走り続けるというお話。でもそんなストーリーなんてどうでもよくなるくらい、とにかくペダルを漕ぐ漕ぐ。美しすぎる自然の中を漕ぐ漕ぐ。疲労と空腹でぶっ倒れながら漕ぐ漕ぐ。
観てるだけでこめかみあたりがキーンとしてきそうな、激寒の中を白い息を吐きながら走り続ける。ただそれだけをカメラはひたすら撮り続ける。そんな風景はロードレースで見慣れているつもりたったけど、主演の杉本哲太が鬼気迫る表情で凍結した路面を走り続けるさまから目を離すことができない。
ストーリーも旅の途中に断片的に挿入されるけど、多くを語る事もなく、何故走っているのか、東京に着いてどうするのか等は描かれる事はない。映画とはかくあるべきという余韻を残してくれます。
加えて特筆すべきは映像の美しさ。山の中の寂れた工場が夕日に染まる様や、吹雪でホワイトアウト寸前の峠道、ダイヤモドダストの舞う田園等、厳しくも美しい風景で溢れています。
この作品、当たりでした。
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